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【10】老化と死

【10】老化と死

「利己的な遺伝子」(リチャード・ドーキンス)によるとは生物は、「遺伝子を運ぶ乗り物」という事になります。

生物の子孫を残す戦略、種の保存、には様々な多様性があります。

老化と死は種を保存する為の生物の戦略で遺伝子にプログラムされています。

老化とは、子孫を残す為の成熟、さらには役割を終えて子孫に生存の場所を与える為の死へのプロセスです。

変化する環境では、完全という事はあり得ません。常に、環境に適応する為に変っていかなければなりません。人の体は、一日に4000億個の細胞が死んで、新たに生まれ変わっています。常に、生まれ変わっている細胞もやがてミスが重なり新しく細胞を作る事が出来なくなって乗り物としての役割を終えて新しい種に生きる場所を与えます。



36億年の昔、地球に生命が誕生した頃、原始生物である単細胞生物には寿命は存在しません。

単細胞生物のほとんどは、不死で数千万種が既に存在しています。



進化の過程でいつ死が生じたのかは不明ですが、単細胞生物が多細胞化した時という説があります。

単細胞生物は、細胞分裂によって種をつなぎますが、多細胞生物は、生殖細胞と体細胞に分化して生殖細胞によって一定期間で子孫を残し生命をつなぎ、種を保存します。 



種の保存の役割を担っているのは、生殖細胞です。種をつなぐ生殖細胞には、死がありません。無限に分裂する事が可能です。

体細胞には死があって人では一日に4000万の細胞が死んで、新たに生まれています

ドーキンス流にいえば、体細胞は生殖細胞を運ぶ乗り物という事になるのでしょう。


多細胞生物にとっての死は2つの捉え方があります。

細胞死と個体死です。

細胞死には、アポトーシス(計画的な死)とネクロ―シス(壊死)があります。
                                          



ネクローシスは、やけどや傷など外的要因によって引き起こされた予期しない細胞死です。

アポトーシス(計画的な死)は細胞、自らが死んでいきます。ガン化した細胞やウィルスに侵された有害細胞や、古くなり役割を終えた細胞などはこのアポトーシスによって取り除かれます。1日に4000万の細胞が、アポトーシスを起こしています。

アポトーシスの例としては、植物の落ち葉、胎児の指の形成、オタマジャクシなどが例としてあげられます。オタマジャクシは、水中生活から陸上生活に適応する為に尻尾などが細胞死によって短くなっていきやがて消滅します。この尻尾の細胞はアポトーシスで細胞がトンドン死んでいく事で短くなってゆくのです。生物の発生過程では決まった時期、決まった場所で細胞死が起こり生物としての形態を形作っていきます

なぜ、細胞に死があるかというと環境変化に適応する為に自らでスクラップアンドビルドして、痛んだガン細胞や病気に侵された細胞や古くなって機能の落ちた細胞を取り除く為で、アポトーシスの為の蛋白質の分解は新たに蛋白質を作るよりも注意深く複雑な仕掛けだそうです。

密集した都市空間でビルの作り直しの為の古いビルの解体は周りにたいして危険なので注意深く行わないとならないのと同じ事なのでしょう。

このメカニズムを新陳代謝と呼びます。 

 

細胞死を乗り物の修復の為のスクラップビルドとするならば、個体死は乗り物その物のスクラップです。

殆どの昆虫は、産卵すると一生を終えます。

サケ目サケ科に属する、サケは4年の寿命。同じサケ目サケ科のヤマメは3年。同じサケ目サケ科のいわな、ブラウン、ニジマスは産卵しても死なずに生きてる限り成長を続け寿命は6-9年といわれています。

植物は、1年で枯れる物を草とよび、花を咲かせ、種を結んでも枯れずに成長を続ける物を木と呼びます。木では4000年も生きている例もあります。屋久島の「縄文杉」という名前の由来は、樹齢が4,000年以上と推定され縄文時代から生き続けているところからきています。

  シャクヤクは草でボタンは木でも同じボタン科
  
 シャクヤクはぼたん科の多年草 ボタンはボタン科ボタン属の木

こうしてみてみますと同じ種でも寿命=個体死は様々です。




老化も死も、遺伝子に組み込まれています。この考え方はプログラム説と言われます。

もうひとつエラー説があります。、写真をコピー機でコピーするたびに画質が落ちてくるように遺伝子転写で新陳代謝を繰り返すたびに何らかのエラーが生じ、エラーの蓄積の結果もう使い物にならなくなった細胞が増えてくると生命維持に必要な細胞の数が足りなくなり個体の老化・死へとつながるという説です。

人間の寿命は最長で150年とされています。しかし生没年月日が判明している者で、150年生きた者はいまだにおらずフランスの女性ジャンヌ・カルマンの122年164日が最長です。






殆どの人は、寿命を全うできず事故や病気でに死んでしまいます。プログラムで決められた寿命も何らかのエラー、あるいは、複合したエラーの為に全うできないのです。

エラーの原因は色々とありますが、アンチエイジングは、活性酸素による体の酸化はもっとも避けなければいけません。

加齢は避けられないが老化は、遅らせる事が出来る

老化は、医学的には、生体機能全般の「退行性変化」を指します。

シミ・シワが増えたり、筋肉が弱くなったり、臓器の働くも弱ってなり、老眼になったりします。

体の老化は、加齢によって細胞が老化する事によっておこります。

人の細胞には、分裂する細胞とある年齢化からは分裂しない細胞があります。

  • 分裂する細胞は加齢とともに正常に分裂しない細胞が増え始めます。

  • 分裂しない細胞(神経や脳や心臓、筋肉の細胞など)は年齢とともに減っていきます。

この細胞の減少や悪化を少しでも回避できさえすれば、すこしでも元気に寿命を全うできる事になります。

年齢つまり、加齢は避けられませんが、老化現象は人、様々で同じく加齢していても健康で若く見える人もいれば、若くして年寄りめいた人もいます。加齢は避けられませんが老化を遅らせる事は可能です。

生物はすべて、生物時計を持っていて生存に必要な活動を営みます。この時計に従って一日に4000万個の細胞がいれ変わっています。



現在、知られているもっとも単純な生物時計は真性細菌のシアノバクテリアでたった3個の蛋白質で作られているそうです。

昼間の有害な紫外線を避けて夜にDNAの複写をしたのが生物時計が起源だといわれています。この生物時計によって1日のリズム(概日周期)が決められています 。

こうした概日リズム、潮汐の変化に対応した月周リズム、四季の変化の年周リズム、渡り鳥やミツバチなどが太陽の位置から方位を知るのも生物時計の働きで、細胞の生活周期を支配する時計遺伝子が次々と発見されています。

哺乳類では脳の視床下部の視交叉上核に2万個からなる神経核SCNがあって、これが時計中枢です

朝、目覚める1時間前から、副腎皮質ホルモンのコルチゾンが分泌され、すぐに起きてから活動出来る準備に入ります。前日に、いつもより2時間前に起きるように指示すると早い時間に合わせてコルチゾンが増えるという事が実験で確かめられています。起きるという脳に記憶された情報が時計中枢に働きかけてホルモンの分泌につながっている訳です。

この時計中枢には、目から光の情報が届けられて昼夜を知ります。目は、映像と時間を知る為の情報を別の経路で伝えているそうです。

哺乳類の脳内時計の遺伝子がクローニングされたのは1997年で、今では、かなり脳の生物時計の仕組みが明らかになっています。
 
単細胞生物での時計の起源は、増殖にあたって有害な紫外線によってDNAが傷つけられるのを防ぐために夜に増殖するようなったといわれていますが、時計は生命活動を、外部環境も配慮しながら適切に効率よく行う為に必要です。

時計による概日リズム(サーカディアンリズムは全ての事が一度に起こるのを防いでいます。寝ている時には排尿が生じない方が都合がいいので夜間は腎臓の機能、尿の生成が低下するようになっています。食べた後に眠くなるのもよくある事ですが、これも消化・吸収に専念する為に活動を低下させる為に生じますし、風邪をひいたり病気の時もだるくなったり眠くなったりして外部活動を低下させて、病気と闘う為に体の内部活動を優先させます。

さらに進化した哺乳類では、脳に体内時計があって時間によって体内機能が協調できるように管理しています。

人々が時刻によって社会を分業と協業でなり立たせているように、体も体内時計によって協業を成り立たせています。時差ぼけなどでこの時計が狂うと体調不調に陥ります。

ニワムシクイという鳥では年に1回北に帰るべき時期をしらせる概年時計と一日の行動を支配する24時間の概日時計を持っている事が知られています。

セミは地中で生活して日の光を浴びていませんが年を数える時計を持っています。アブラゼミは7年といわれていますが、13年や17年周期のセミもいます。しかも脱皮の時期はかなり集中していて数日で殆どの個体は地上で羽化するそうです。
 リック・カーバンは実験の結果、セミは木の根から栄養をとりながら同時に木の季節による生理的変化を感じ取っていると考えています。毎年、春になると根の中を流れる糖分や蛋白質が急激に増加しこれを感知しているのだと言っています。

ウエリ・シブラーは、繊維芽細胞(皮膚などの結合組織の細胞)を使って、細胞も概日リズムを刻む能力を持っている事を明らかにしました。我々の体の個々の細胞は、それぞれ時計を持ってはいるのですが脳の上位の時計が優先するようです。

これは、社会と同じように個々の生活も時刻によって営まれますが、会社とか電車の時刻とかより社会性の高い時刻が優先しなければ、システムが維持できない為と思われます。

生物は何種類もの時計を持っているようです。最初に発見された時計遺伝子(蛋白質)は、ピリオド(PER)遺伝子と名づけられあらゆる動物に共通だという事がわかりました。この遺伝子によってつくられる蛋白質の量によって時間が計られています。




アンチエイジングを考えるに当たっては、我々が持っている生物時計に刻まれた36億年の進化の歴史も、加齢・老化・死と関連して科学的に考えていく必要があります。




全ての生物は生物時計を持っていて、時間をはかって、成熟をコントロールしています。

クリスマスの頃に赤く色ずくポインセチアは、短日植物といって日が短くなると、成熟します。日照時間は地域によって違いますので、地域によっはクリスマスになっても色ずきません。この時は日光を遮断して生物時計を変えてやると色ずきます。

イチゴは春から初夏が本来の収穫期ですが、ビニールハウスやボイラーを使って加温したり電気照明をあてて日照時間を延ばして栽培すると、寒い12月のクリスマスケーキを真っ赤なイチゴで彩る事が出来ます。
成熟を早める  
 ポインセチア
イチゴ
 

鮎は、年魚といわれるように本来、1年しか生きられません。ところが、秋にも光をあてて日照時間を伸ばしたやると、成熟せずに、1年たっても死なないで2年間生き続けます。
 成熟を遅らせる
 鮎

ぶどうは、ジベレリンなどの植物ホルモンを使うと、種なしになったり実が巨大化します。現在、植物ホルモンとしては7種類が見つかっており、どの野菜の体内にあっても成長や生殖が順調に進行するように調節の役目を果たしています。

 ホルモンによって成熟を促進を
 

こうしてみると、同じ種でも死は、同じ属でも種によって異なり、成熟や老化は同じ種でも個体によって異なります。







死は避ける事が出来ないが老化は、遅らせる事が出来ます







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